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小沢 和巳; 谷川 博康; 森貞 好昭*; 藤井 英俊*
Fusion Engineering and Design, 98-99, p.2054 - 2057, 2015/10
被引用回数:1 パーセンタイル:9.71(Nuclear Science & Technology)低放射化フェライト鋼(F82H)は先進核融合炉の構造材料候補である。第一壁ならびにダイバータではプラズマスパッタ抑制のため、タングステン被膜が必須とされている。F82H鋼に、真空プラズマ溶射法でタングステン(W)を皮膜し、その後摩擦攪拌処理(FSP)にて強化した試料に対しイオン照射実験を実施し、WとF82Hの各要素のイオン照射後の硬さと微細組織に及ぼす細粒化の影響を調べた。これまでの結果からは、800C、5.4dpaでイオン照射したFSP-W皮膜の顕著な照射硬化は認められていない。
猪 博一*; 植田 祥平; 鈴木 紘; 飛田 勉*; 沢 和弘
JAERI-Tech 2001-083, 46 Pages, 2002/01
本報は、高温照射試料取扱設備(使用済燃料検査室(I))の設計条件及び設計結果をこれらの主要な設備ごとにまとめたものである。高温照射試料取扱設備は、同じ建家内にあるHTTRで照射を行った使用済燃料,高温照射試料を対象として検査及び照射後試験の一部を行う小型のセルである。本設備は既設の高温工学試験研究炉(HTTR)原子炉建家内の限られたスペースに追設するものであり、取合条件を考慮して限られたスペースを有効に利用できるよう設計した。本設備は3つのセルで構成され、主要な設備として使用済燃料等からの中性子線及び線を遮蔽するための遮蔽体,換気空調装置,試料の取扱に用いる内装機器等がある。今後、本設備及び大洗研究所のホットラボを利用してHTTR燃料・材料の照射後試験を実施し、高温ガス炉技術基盤を確立するとともに、長期的にはHTTRにおける照射試験・照射後試験を通じて、要素技術の開発,先端的基礎研究を行っていくこととしている。
沢 和弘; 植田 祥平; 角田 淳弥; 飛田 勉*; 湊 和生
Transactions of 16th International Conference on Structural Mechanics in Reactor Technology (SMiRT-16) (CD-ROM), 11 Pages, 2001/00
高温ガス炉ではバッファ層、高密度熱分解炭素層及び炭化ケイ素層からなるTRISO型被覆粒子を燃料としている。高温ガス炉燃料の安全設計で、1次冷却材中への放出が許容値を超えないよう核分裂生成物を閉じ込めることが重要であり、運転中の著しい燃料破損を防止することを基本としている。高燃焼度下における燃料挙動を研究するため、原研の材料試験炉及び米国のHFIRにて照射試験を行った。照射燃料は5~10%FIMAまで健全性を維持できるよう、バッファ層及びSiC層を厚くした。両試験ともに、照射中に破損が検出された。照射中の内圧破損挙動を評価した結果、健全粒子のSiC層には引張応力は発生せず、燃料コンパクトのプレス時に発生したSiC層に欠陥のある粒子が照射により貫通破損に至ったと考えられる。
湊 和生; 沢 和弘; 高野 利夫; 冨田 健; 石川 明義; Baldwin, C. A.*; Gabbard, W. A.*; Malone, C. M.*
Nuclear Technology, 131(1), p.36 - 47, 2000/07
被引用回数:58 パーセンタイル:94.74(Nuclear Science & Technology)個々の被覆燃料粒子からの核分裂生成物の放出挙動を照射後加熱試験により調べた。1700C,270時間及び1800C,222時間の加熱試験の前後に、個々の被覆燃料粒子の核分裂生成物のインベントリを線計測により求め、加熱試験による核分裂生成物の放出率を被覆燃料粒子毎に算出した。Ag,Cs,Cs及びEuの放出が検出された。個々の被覆燃料粒子の核分裂生成物放出挙動は同一ではなく、粒子毎に大きく異なっていることを見いだした。加熱試験後のX線ラジオグラフ及び粒子断面積観察では、この原因を明らかにできなかったが、SiC被覆層の亀裂の有無だけでは説明できないことを明らかにした。
湊 和生; 小川 徹; 沢 和弘; 石川 明義; 冨田 健; 飯田 省三; 関野 甫
Nuclear Technology, 130(3), p.272 - 281, 2000/06
被引用回数:71 パーセンタイル:96.71(Nuclear Science & Technology)ZrC被覆燃料粒子は、高温ガス炉用SiC被覆燃料粒子に代わる候補の一つである。ZrC被覆燃料粒子とSiC被覆燃料粒子の高温における照射性能を比較するために、同一条件の下で、キャプセル照射試験を実施した。照射温度は1400-1650C、燃焼率は4.5%FIMAであった。照射後試験の粒子断面観察において、ZrC被覆層にはパラジウムによる腐食は観察されなかったが、SiC被覆層にはパラジウム腐食が認められた。被覆層の貫通破損率の検査では、ZrC被覆燃料粒子には有意な破損は認められなかったが、SiC被覆燃料粒子には照射による破損が認められた。ZrC被覆燃料粒子の高温における優れた照射性能が明らかになった。
湊 和生; 小川 徹; 沢 和弘; 関野 甫; 高野 利夫; 喜多川 勇; 石川 明義; 冨田 健; 大枝 悦郎
Proc. of the Int. Conf. on Future Nuclear Systems (GLOBAL'99)(CD-ROM), 8 Pages, 1999/00
ZrC被覆粒子燃料は、その優れた特性から、現行のSiC被覆粒子燃料に代わり得る候補であり、高温ガス炉の直接ヘリウムサイクルやプルトニウム燃焼に寄与できるのではないかと考えられている。ZrC被覆燃料粒子の高温での健全性及び核分裂生成物の保持特性について、照射後加熱試験により調べた。その結果、ZrC被覆粒子燃料の優れた高温特性を明らかにした。また、1400Cから1650Cにおいて照射試験を行った。ZrC被覆粒子燃料にはとくに異常は認められなかったが、SiC被覆粒子燃料には、核分裂生成物のパラジウムによる腐食が認められた。
湊 和生; 沢 和弘; 福田 幸朔; Baldwin, C. A.*; Gabbard, W. A.*; O.F.Kimball*; Malone, C. M.*; F.C.Montgomery*; B.F.Myers*; N.H.Packan*
JAERI-Research 98-021, 187 Pages, 1998/03
日米高温ガス炉燃料共同照射試験として、日本の燃料コンパクトを米国オークリッジ国立研究所のHFIR炉で照射し、引き続き照射後試験を行った。本報告書では、(1)被覆燃料粒子を含む燃料コンパクトの照射前特性評価、(2)照射条件及び被覆粒子燃料の照射健全性の指標となる照射中の核分裂ガス放出、(3)外観検査、寸法検査、断面組織観察、及び線測定などの照射後試験、並びに(4)事故時条件における燃料の健全性及び核分裂生成物の放出挙動を調べるための照射済み燃料を用いた1600~1800Cにおける事故時挙動試験について記述した。
湊 和生; 福田 幸朔; 関野 甫; 石川 明義; 大枝 悦郎
Journal of Nuclear Materials, 252, p.13 - 21, 1998/00
ZrC被覆燃料粒子は、高温ガス炉用SiC被覆燃料粒子に代わる候補のひとつである。ZrC被覆燃料粒子の1800から2000Cにおける挙動を明らかにするために、照射後加熱試験を行ったZrC被覆燃料粒子の断面組織観察及びEPMA分析を実施するとともに、Zr-C-U-O系の熱力学的解析を行った。これらの観察、分析及び解析の結果に基づき、ZrC被覆燃料粒子の性能劣化の機構を提案した。1800から2000Cにおいて見られたZrC被覆燃料粒子の性能劣化は、ZrC層の内側の熱分解炭素層が破損したために生じたものであることを明らかにした。
小奈 勝也*
PNC TJ1360 97-001, 53 Pages, 1997/03
放射性廃棄物の処分に係る研究施設の立地誘発のために、昭和60年度より「ジオトピア構想」という地下環境の開発利用に関する調査研究を実施してきている。超電導エレベータや温度差利用駆動モータ等の革新的技術の開発は、このような背景から着手したものである。さらに、より地域振興への貢献と科学技術への関心を高めることを目標として、平成3年よりその技術を一般市民が理解し易い模型などの「触れる」形態にする作業を実施してきており、放射性廃棄物から発生する熱を利用することを目標とした熱電変換素子(ゼーベック素子)を組込んで駆動する模型や温度差で駆動するモータ(スターリング・エンジン)等の検討を実施してきた。今年度は、これら熱(温度差)利用を発生源に近い環境から、「上流域」、「中流域」、「下流域」を区別して、それぞれの区分に適したシステムの開発を検討した。「上流域」では、スターリング・エンジンを発電システムへ組込むことを想定したモデルの製作に関する予備検討を行った。検討に際しては、関係者からなる検討会を設置して行った。「中流域」では、ゼーベック素子による発電システムを、電池への充電を可能にするシステムを検討した。「下流域」では、様々な気体分子をファンデル・ワールス力で包含させた、いわゆる「ガス・クラスレート(気体の水和物)」の分解圧を利用した駆動システムを検討した。
小奈 勝也*
PNC TJ1360 96-002, 58 Pages, 1996/03
放射性廃棄物の処分に係る研究施設の立地誘発のために、昭和60年度より「ジオトピア構想」という地下環境の開発利用に関する調査研究を実施してきている。この中では、地域との信頼性向上には形の見えない計画や構想よりも、地下開発利用から様々な分野への実用化が見込める技術の確率をめざす方が、技術の経済的波及効果や産業振興との関係を理解させ易く、効果的であるとの考えに至った。革新的技術の開発として手掛けた超電導エレベーターやレーザー岩盤掘削等は、このような背景から着手したものである。さらに、より先導的技術の開発を実施するために、平成3年度より対象技術の摘出を行うと同時に、その技術を一般市民が理解しやすい模型等の「触れる」形態にする作業を実施してきており、放射性廃棄物が発生する熱を利用することを目標とした熱電変換素子(ゼーベック素子)を組込んで駆動する模型や、温度差で駆動するモーター(スターリングエンジン)等の試作製作を実施してきた。これらの熱利用システムの中から、今年度は放射線の影響を全く考慮する必要がないスターリングエンジンの効率的熱利用への検討を行い、いわゆる廃熱の存在する温度差(数10度数100度)があれば、その温度差から発電が可能であることを、一般に理解させ得る形態模型の研究・施策を実施したものである。
飛田 勉; 湊 和生; 沢 和弘; 福田 幸朔; 関野 甫; 飯田 省三; 高橋 五志生
JAERI-Research 96-014, 34 Pages, 1996/03
破損被覆燃料粒子からの金属核分裂生成物の放出挙動を調べることを目的に、貫通破損粒子を模擬した人工欠損粒子、SiC層被覆粒子及び健全粒子の3種類の粒子試料を用いて、JRR-2のICF51Hキャプセルにより照射試験を実施した。平均照射温度は約1600Kであり、燃焼率は約2%FIMAであった。照射後試験においては、外観検査、X線ラジオグラフィ、断面組織観察、及び線測定を行った。SiC層破損粒子では、Ce、Ru及びSbのインベントリは健全粒子の場合とほぼ等しかったが、Cs、Cs及びEuのインベントリは健全粒子の場合より小さかった。人工欠損粒子では、測定されたすべての核種のインベントリが、健全粒子の場合よりも小さかった。またFORNAXコードを用いて、被覆燃料粒子からのセシウムの放出のモデル解析を行い、実験結果と比較した。
湊 和生; 小川 徹; 福田 幸朔; H.Nabielek*; 関野 甫; 野沢 幸男; 高橋 五志生
Journal of Nuclear Materials, 224, p.85 - 92, 1995/00
被引用回数:58 パーセンタイル:97.27(Materials Science, Multidisciplinary)ZrC被覆UO燃料粒子からの核分裂生成物の放出挙動について、1600C、4500時間の照射後加熱試験により調べた。核分裂ガスの放出の監視及び加熱後の粒子の試験結果から、加熱中の粒子の内圧破損は生じていなかった。粒子研磨面観察では,ZrC層のパラジウム腐食及び熱的劣化は観察されなかった。核分裂生成物のCs、Cs、Ru、Ce、Eu、及びEuは、照射後加熱中に被覆層を通って粒子外へ放出された。ZrC被覆層におけるCsおよびRuの拡散係数を放出曲線から評価した。ZrC層のCs保持能は、SiC層よりも、たいへん優れていることが明らかになった。
須藤 亮*; 宮園 昭八郎
JAERI-M 83-086, 103 Pages, 1983/06
軽水炉圧力容器鋼の中性子照射脆化に関する海外(米国、フランス、西ドイツ、イギリス)での最近の研究動向を調査した。調査結果は1)照射脆化感受性に及ぼす鋼材の化学成分の影響、2)照射材の照射後焼鈍による靭性の回復、3)破壊力学的手法による照射材の靭性評価、4)疲労き裂進展挙動に及ばす照射の効果、に分類した。1)では、銅(Cu)、リン(P)、ニッケル(Ni)等の影響、およびRegulator Guide等の現行のGuidelineの妥当性を評価、検討した研究が含まれている。2)では、照射脆化の進行を押えるための照射後焼鈍条件、焼鈍方法等を検討した研究が示されている。3)では、照射材の破壊靭性値とシャルピー衝撃値とを相関づけた研究、弾塑性破壊力学に基づく照射材のJ-R曲線を求めた研究等が示されている。4)に関しては、大気中での照射材の疲労き裂進展挙動を調べた研究が多く、実機環境中での研究は現段階では比較的少ない。
菊地 章; 市川 逵生
日本原子力学会誌, 23(7), p.507 - 516, 1981/00
被引用回数:2 パーセンタイル:36.87(Nuclear Science & Technology)インターランプ(Studsvik Inter Ramp-STIR)計画はBWR用燃料棒におけるPCI/SCC破損挙動を求めるための国際的プロジェクトである。4ケ年計画で実施され、1979年に終了した。本試料にはプロジェクトにおける成果の概要が述べられている
吉田 健三; 大道 英樹; 鈴木 和弥; 関口 秋雄*; 山下 由貞; 伊藤 洋; 清水 三郎; 荒木 邦夫
JAERI-M 4889, 83 Pages, 1972/07
ポリ塩化ビニル改質パイロット装置は粉体の処理密度の高さと滞留時間分布の狭さ、線源の経済性を考慮して、中心にCoのガンマ線源を持つ撹拌移動層型の連続反応装置として設計・試作されたものである。この型の反応装置が使用された例は今迄化学工業界でもほとんどない。当初の滞留時間分布を狭くすることに特に留意した「逆錨型撹拌翼」のCG-1型反応装置の有効熱伝導係数は5X10kcal/m・hr・Cであり、充填層や撹拌の無い移動層と大差が無かった。しかし、ついでグラフトむらを少なくするために開発した「かき込み型(英文Plow-鋤型と命名)」の撹拌翼を持つCG-2型では約20倍向上し、総括伝熱係数にしても20kcal/m・hr・Cが得られ、除熱、物性共に所期の成果を得ることが出来た。これらの有効伝熱係数を使用し、軸方向(X)の一次元モデルにより、装置中の反応の理論計算を行ない、理論値と実験値の良い一致を見た。